ならではのマラソン大会

(首都マーレ、ひとしきりの雨の後)
モルディブ共和国は、ごく小さな島の集まりである。
首都マーレでさえ、周囲6km、面積2平方キロしかない。
驚いたことに、その狭いマーレでマラソン大会が毎年行なわれていた。
それもフルマラソン、42.195kmを走るあれである。
どうコースを作るかって、細く張り巡らされた路地をいくらうまく一筆書きしても
周囲6kmの島で42kmの一本道コースは多分無理、
島をグルグル9週もするコースとなる。
テレビで、よく選手が「沿道の景色を楽しみながら走ります」なんて言っているけど、それはあまり叶いそうもない。
それどころか赤道直下である、暑いわけである。
これは精神的にも肉体的にも相当ハードなコースなのではないだろうか。
ちなみに、スタート時刻は早朝5時に設定されていた。暑くなる前にやっちゃえという事だ。
だから僕が起きだしてくるころには、もう優勝者が決まったりしていた。
しかし、選手にとって重大な「敵」はコースの単調さや暑さだけではないのだ。
想像できるだろうか、それは雨である。
雨でシャツがぬれて走りにくい? 冷えて体が動かなくなる?
いやいや、そんな「やわ」な話じゃない。
水たまりを嫌って避けて走ると相当コースが長くなってしまうのだ。
写真を見れば納得してもらえるだろう。
でも、はじめ水たまりを避けていた選手は
疲れてくると、結局靴が濡れるのもかまわずに「最短距離」を走ることになる。
当然モルディブ代表のオリンピック選手も走っていた。
モルディブでは、人知れずこんなにハードなマラソン大会が開かれていたのだ。