矢部知子さん

出会いのシチュエーションはちょっと変わっていた。
小学校の宿泊学習にカメラマンとして赴いた相模湖、担当の先生に看護士さんとして紹介された。
ニコニコと笑いながらクリクリとした瞳で僕をじっと見つめ続ける。こっちが恥ずかしくなってくる。
夜のミーティングの後、看護士というのは仮の姿で、実は舞台で活動している女優さんであることがわかった。
なんか一気に親近感が増し、僕も写真家としての活動の話など持ち出した。
聞いてみると住まいは同じ町内だ。「これは縁だ!」と勝手に決め付けた。
この頃、「東京サギまがい」という、タレントのダンカンさんが主宰する劇団に所属していた。
早速新宿の公演を観に行った。舞台の矢部知子は光を放っていた。まぶしさを覚えながら羨ましかった。
写真家の、一人で活動することが多いゆえにどうしても内向しがちなのに比べ、
この、裏方の方たちまで見えてくるような開放的な一体感はどうだ。
そういう見方をする必要はないと思うが、稽古場や一緒にメシを喰ったりしている情景まで浮かんでくる。
今は、東京サギまがいを離れたらしい。彼女は表現していきたい事がはっきりしていて
それを追い求めていくようだ。
彼女のハートを知っているだけに応援せずには、気にせずにはいられない。
ウチに遊びに来ると、我が四坊主と実によく遊んでくれる。彼らも矢部さんが大好きだ。
いっせいに「あのね、僕ね縲怐vとたたみかけるのだが、なんでもニコニコと聞いてあげている。
もちろん僕も彼女がとても好きだ。彼女の出る芝居は楽しみな行事の一つになっている。